ノーマル状態で875ミリもあるR12 G/S(GSスポーツ)のシート高。
軽くて細身なので、身長168センチの私でも跨って車体を起こす事は出来るのですが足つきはツンツンです。
今日1日だけ頑張れと言われれば乗れますが、自分のバイクとして日々乗るには緊張が伴います。
GSスポーツじゃないリア17インチ車を選べば改善されますが、
R12 G/Sの魅力の一つはF21インチR18インチホイールのガチオフ仕様であることも大きい気がするのです。

どうせならGSスポーツに乗りたい、それも緊張せずに。
そんな希望を当店試乗車にて実現しました。



ドイツ人の体重に合わせたサスペンションのままですと、
一般的な日本人体重のライダーがバイクに跨ってもあまりサスが沈みません。
当然体重のあるライダーに比べ足つきが悪くなります。

要はドイツ人の体重、
なんならドイツ人×2のタンデムの荷重にまで対応したバネレートでは強すぎるのです。
荷物を載せたりタンデムしたりで重くなる方向には、
車両のプリロード調整機構で合わせることができますが、
軽い方には調整幅がありません。

 
(昭和体形w 身長168センチ 両足ついた場合と片足のみの場合。そもそもR80G/Sって割と低かったですよね。)



体重90キロ位ある方はつるしのままお使いいただけますが、
70キロ未満の方にはレートが高すぎるのです。

これは沈み込みが少なく足つきが悪いだけの問題ではなく、
リバウンドストロークと言うサスが伸びる側のストローク量も不足する為、
サスが正しい仕事をすることが出来ません。

そこで、沈む方にも伸びる方にも適正なストロークを与える為、
日本人の体重に合わせたバネレートのチューニングを行いました。
軽量化ではなく、軽い体重に合わせた調整という事での、
「ライトウェイトチューニング」と名付けました。

 
(昭和体形 身長168センチ 両足ついた場合と片足のみの場合)

具体的にはリアサスペンションスプリングのレートを、
体重60~65キログラムに合わせて交換しました。
当初はフロントフォーク側も変更する予定でしたが、
テストの結果そのままでも十分動いている事を確認。
リア側のみでセッティングが出ました。
65キロ以上の体重の方やタンデムの場合でも、
プリロードの調整ダイヤルを回してこのまま対応可能です。
体重50キロ等、更に軽い方向けのチューニングプランの他、
性能の為ではなくローダウンを優先したプランもございます。

シート高875ミリという数字に尻込みしている貴方、
カタログデータで頭でっかちに悩むよりまず一見に如かず。
一度ご体験下さい。


Motorrad Sagamihara
店長  市東 信吾