1. オートバイに対する想い

Motorrad Sagamiharaは2016年より相模原で営業開始し、私は2020年から勤務させて頂いております。ショップマネージャーの市東信吾(シトウシンゴ)と申します。オートバイに関わる業界には30年近くおりまして、BMW Motorradビジネスには2007年から携わってまいりました。この業界で働いていて気がつく事に案外オートバイ販売店スタッフは、セールスやメカニック共プライベートであまりバイクに乗らない方が多いのです、同業者の方なら伝わるのではないでしょうか。一方私、51歳を過ぎた今でも、オートバイに乗る時間が大好きなんです。特にボクサーエンジンの乗り味が好きなものですから、バイクに係る仕事かつ、BMW Motorradに係る仕事ができる事をありがたく感じております。前任の滝本は、「仕事とは死ぬ事だ」と申しておりまして、もちろん業務上大変な事も多々あります。それでもバイクに乗るのは楽しいので、やはりありがたい事です。

先ほど、ボクサーエンジンモデルが好きだと書きましたがレプリカバイク終焉の頃から自身でも26台以上乗り継いできました。給料のすべてをバイクにつぎ込んでいたので、ほとんど貯金が無く結婚する際に妻にあきれられたものです。また、学生時代から御世話になっていたバイク屋さんのご厚意やその後の仕事の関係で、国内外各社併せてのべ170車種以上のバイクに乗る機会を得られました。色々な車種を乗ってみて、私にはやはりボクサーのジャイロ効果が感じられる車種が安心で面白いです。
2025年現在の愛車はR1300GSです。身長168センチの私にはここ十数年のGSの車格は普通に乗れるけどちょっと手強い瞬間もあるなと思う大きさでした。そんななか業務上最新の試乗車に乗る機会があるわけでして、このR1300GSという車両、自動車高調整機能により私の昭和体形の股下でもローダウンなどせずに乗れますし、何なら700ccくらいのバイクに乗っている軽快さです。お客様に伝える為に体験しているはずが、「このエンジンは凄い!」「このサスも凄い!」と乗る度に自分で自分に営業をかけてしまっておりました。子供の学費など出費も不安はありますが、私の人生もあと数十年、バイクに乗れる年数は更に短いはずです。十年後に乗るのと、今乗るのとでは得られる旅は異なるはず、と気が付けば長いローンを組んでおりました。あともう一台、30年程前のだいぶボロいR100RSが手元にあります。20代の頃は「なんて古臭くってダサいバイクなんだろう」と思っていたのに、いつのころからか「まあこの古臭さも悪くないな」と思うようになりました。最新のマシンとは走りも乗り心地も比べるべくもないのですけれど、これはこれでデザインが気に入ってます。現46works代表の中嶋志朗さんがRitmo Serenoで作られたカスタム車に憧れ、Ritmo Sereno製のシートカウルを購入して代々塗り替えながら使用しています。まったくの偶然から同じグループの一員として働かせていただくことになりまして、これもありがたい事です。いつかフルカスタム車を作っていただきたいものですがとても手がでません。日々の業務が忙しくどちらの愛車ともあまり乗る機会が取れませんが、時々乗るだけでとてもとてもいい気分転換になります。仕事柄気が付いたことに、最新の試乗車に乗るより、どんなにボロくても自分のバイクに乗っている時の方が幸せを感じます。直ぐに乗る予定が無くても、今、キーを持って愛車にまたがれば、今この瞬間に旅に出ることが出来る。心の翼が手元にあることが、乗らない時にも救いになっていると感じます。年間1000キロ2000キロ程しか乗れなくても、毎年しっかり整備してコンディションを維持しているお客様もいらっしゃいます。お仕事お忙しいのだとも思いますが、移動手段の為ではなく、いつでも飛び出していける愛車が手元にあることに意味があるのだと思います。
過去に1年間だけ手元にバイクが無い時期がありました。納得して手放したのですが、妻曰くずいぶん元気が無く見えたそうで「そろそろバイク買ってもいいんじゃない」と声をかけられ、すかさずローンを組みました。無意識にふさぎ込んでいた様です。
私には、今この時に心を開放・リセットしてくれる愛車が手元にあるという事が重要で、借り物では心が満たされない様です。

私、子供の頃から足が遅く、球技全般苦手だったので、身体を使うスポーツ全般不得意分野でした。一方でオートバイのライディングに関しては身体能力の差が出にくく、免許取得後から皆0スタート。新たに覚えていく分野故に運動神経的なハンデが無く、また走力や体力差と言う部分はエンジンが補ってくれます。高校時代スポーツではかなわなかった親友にも、ライディングなら引けをとらないのでそれは楽しいってもんです。免許取り立ての彼に比べて、1年早く乗り始めていたので当たり前なのですが・・・。身体能力のハンデをトレーニングや努力ではなく、バイクで解決しているところなんてドラえもんの秘密道具みたいなものですね。その後、旅の道具としてのオートバイの楽しさにハマりました。4輪車を手に入れてからも、便利な車よりバイクの旅の方が何倍も楽しいのは何故か。当時は言語化できませんでしたが、ライディングの際に活性化する脳の働きによるもの、心に与える影響だということが今なら説明できます。そんなメンタルな趣味ですから、機械としての性能やコストパフォーマンスだけで選ぶのではなく、BMWというブランドや歴史、哲学も含めて手にいれられたら更に高揚しませんか? 当店では、貴方が、BMW Motorradのあるライフスタイルを楽しむお手伝いができればと思っています。

また、私の個人的なイメージではありますが、珍走団をはじめとした迷惑行為のせいで、更に三ない運動どころか4+1ない運動を推進していた神奈川では、オートバイにアウトローなイメージがあることは否めません。「お父さんの好きなバイクって社会的にイメージ悪いよね」と思われない様に、バイクが大人の趣味として良いイメージをもってもらえる様に、2輪車の社会的地位向上に協力できればと考えています。

  1. オートバイが楽しい理由

30年以上飽きずに好きでいられるこのオートバイの面白さって何なんでしょう?
オートバイが味わわせてくれる、オートバイでないと得られないもの、
それは心をリセットする時間。心にガソリンを入れてくれる事だと私は思います。
ただの移動手段としての道具ではなく、とてもメンタルな趣味だと思うのです。

この雨には濡れるし暑くて寒くて疲れるオートバイという乗り物が、
どうにも面白くって仕方がないからです。
移動手段としての道具ではなく、時には熱い気持ちに、無心に、自身との対話に、
心をリセットしてくれるマシンだからではないでしょうか。
オートバイに乗ったことのない方にはなかなか伝わらないと思います。
一方で過去に何年か乗っていた経験のある方には、なんとなく共感していただけるのではないでしょうか。
乗り物としてのオートバイについて、精神論の様なものを持ち出すのはおかしいかもしれませんが、
30年前に乗り始めたころには上手く言葉にできなかったこの感覚、
実は科学的・医学的にも解明されてきたそうで、
“脳トレ”で知られる東北大学の加齢医学研究所・川島隆太研究室とヤマハ発動機さんの共同研究が有名です。
バイク乗りなら「なるほど!」と思う点が沢山ありますよ。

代表的な効果をあげますと
・日常生活で使用して無い脳の領域が活性化
 (4輪車の運転とは異なる部位でライディングしている)
・心のストレスを勝手に解消
・運動機能の維持
・認知機能の維持
普段使用しない脳の領域が活性化されることで、
無心になれたり、アイデアが沸いたり、前向きに考えられたり、
身体はへとへとに疲れて帰ってきたのに心はすっきり等々。
何か思い当たる節がございませんか?

私、濡れた路面の走行が大嫌いなのですが、
土砂降りの高速道路を走っている際に心がスーッと落ち着いていくのを感じた事があります。
ライディングにとっては最悪のコンディションにもかかわらず、
まるで座禅でもしているかの様なすっきりした気持ちになったのです。
その時、「どこかに行くとかではなく、この心をリセットする時間が必要なんだな」と感じました。
それ以来お客様には、「オートバイはただの乗り物ではなくて、心にガソリンを入れてくれる機械なんですよ」と話す様になりました。
何年か後になってBMW MotorradのCMに「SOUL FUELL」というコピーが登場し、ドイツ人も解ってるじゃないかと思った次第です。

オートバイは心の健康に良いものです。

  1. 価格についてご納得いただく

現代日本で、多くの方にとって趣味のオートバイは生活必需品ではありません。
その為、購入に際し家族の理解を得にくかったり、「贅沢品かな?」と自分自身でブレーキをかけたりはしていませんか? 
私は初めて200万円を超える車両を買った際に感じました。
けどどうしてその壁を越えられたのでしょう、いや、越えてしまったのでしょうか?

私の考えでは仕組みからくる、乗れば解ってしまう乗り味の差と、ついでにと言ったら怒られてしまうかもしれませんが、
大人のライダーに恰好を付けさせてくれる歴史とブランドも得られるからだと思います。

乗り味については車種毎の特徴もありますが、他社に先んじて最新の技術に取り組むチャレンジングな構造・仕組み・そして100年を越える伝統からくるものです。
私は特にBMWの定番エンジンでもあるボクサーツインエンジンの乗り味が好きなので、背伸びせざるを得ません。
この直進安定性・低重心・ロールの軽さ・チェーンメンテの不要な所、他車では揃いませんから。

おまけと言ったらBMWにおこられてしまう歴史やブランドについては、実際に乗ってみてから感じた様々な思い出があります。
人からの見られ方が、特にオートバイを知らない方からの見られ方が随分異なりました。
若い頃はBMWのおかげか旅先でちょっとだけモテたかもしれません。ベテランの先輩方にも可愛がって貰えました。おかげで色々珍しい体験も、人生に関わる出会いもありました。
個別にエピソードを語ると結構な量になってしまうので、詳しくは語りませんが、
バイク乗り=アウトローなイメージではなく、BMW乗り=きちんとした人と見られるところはあったと思います。
実際の私はきちんとしてないので、イメージを崩してはいけないなと多少気が引き締まりますね(笑)。

タイヤが2つついて高性能なオートバイは沢山あります。特に日本は4大国内メーカーが揃っていますしね。しかし、ただのオートバイではなく、そこに精神的な満足感や体験まで加えてくれるブランドはいくつあるでしょう。更に貴方自身と、貴方の大切なご家族の為にも最新の安心安全な装備の揃った車種のラインナップはあるでしょうか。生活を圧迫する様ではいけませんが、手が届くなら、BMW Motorradを体験しないのは勿体ないですよ。BMW Motorradの特徴として、確かに多少価格は張りますが得られる思い出は価格以上だと思います。
車種による差はございますが手放す際にもそれなりにリセールがつく事が多く、購入費用から売却費用を差し引くと、実質的な出費は国産車と大きな差が付かなくなりました。事故などで修理をする際には、輸送コストの分割高になりますので、ぜひ安全運転でお楽しみください。

  1. 趣味のサブスクリプション

BMWには、ブランド的にも実際の価格も高級イメージがあると思うのですが、
その意識的なハードルを越えて購入を考えている事って、その時点で素晴らしい事だと思いませんか? 真面目にコツコツ、または一生懸命積み上げてきたからこそ、検討対象になったのではありませんか。私、27歳で初めて手に入れたR1100RTから全てファイナンス(分割払い)で購入してきましたが、そもそも自分の積み上げてきた信用で借りられた資金です。
「背伸びをしちゃったかな」という思い半分、
「自分もBMWに乗るところまで来たか」と思いう思いが半分あった事を覚えています。
今でも随分背伸びはしちゃってるのですが、4輪のBMWに比べたら1/3、1/5程度の覚悟で手に入れられますからね。

当店ではほとんどのお客様にはファイナンスをご利用いただいております。(おかげさまで2023年度も2024年度も全ディーラー中でファイナンス利用率トップ5に入っており、2024年度は3位でした。)
お客様の中には分割払いに苦手意識をお持ちの方もいらっしゃいます。そういった方は人一倍お金を大切にされているのだと思います。大事な事です。その一方でお金と同じくらい貴方の時間・若さも大事じゃありませんか? 現金を手元に残しておけばいざと言う時に何にでも使えます、例えば半分は取っておいていただいて、今すぐ、今この時に乗っていただくことに対してはファイナンスを利用してみてはいかがでしょう。生活に負担をかけない範囲で趣味のバイクに月々使ってもいい金額を設定していただく、つまりサブスクです。体力を使う趣味なので、5年後10年後に体験できるものは今とは異なります。利息はタイムマシンの使用料を払うようなものでしょうか。

昨今の物価高騰や国産車の値上がりにより、昔ほどではないにしろBMWMotorradに少し敷居を感じてしまう方も多いかと思います。4輪車に比べたら大したことないかもしれませんが、家族で使う車と異なり基本的には趣味の高級品です。裏を返せば、買う買わないは一旦おいておいてもBMW Motorradを愛車の候補にしていただいた時点で成功者であり、日々頑張っている結果であり、それって素敵な事だと思うのです。
検討して頂いただけでも素晴らし事ですが、更にその夢が実現したらと思うとワクワクしませんか?
まずはお気軽にご試乗してみてください。誰でも何十年か先には体力的にバイクに乗れなくなります。そしてその時でさえお手元に数百万円は残っている事でしょう。
経験できるのは今、なんです。

私、市東の個人的なおすすめは特にボクサーエンジンモデルです。自腹で26台、仕事上で170車種以上乗ってきてやっぱり乗り味が違うんです。ある程度経験がある方なら、好みに合う合わないは別としてすぐ違いに気づけると思います。数時間とか、まる1日乗ってしまうと引き返せなくなるかもしれませんよ・・・。

                                                     Motorrad Sagamihara
                                                     (株)モトラッド・リトモ
                                                         代表取締役     
                                                           市東 信吾